旅行業Q&A

レンタルオフィスでも旅行業登録はできるか?

レンタルオフィスで旅行業登録できるか?

新しく会社を立ち上げて事業を始めようとする場合、初期投資を抑えたいというニーズが強くあります。
特に会社創設期に必要な費用の中でも、固定費は限りなく抑えたいところです。
固定費の代表格と言えば、もちろん事務所の賃料です。
資金のあるスタートアップなどでは立派なオフィスを用意したり、オシャレなコワーキングオフィスに入居することもありますが、多くのスタートアップでは初期投資を抑えるために法人登記ができるレンタルオフィスバーチャルオフィスを優先的に検討されるのではないでしょうか。

初期投資を抑えるのは、事業の立ち上げ段階では重要な要素の1つです。
しかし、展開する事業が行政の許認可を必要するようなものの場合は、要注意です。
レンタルオフィスやバーチャルオフィスでは許認可を取得できないということもありえます。

今回は、レンタルオフィスやバーチャルオフィスを借りて、旅行業登録をすることができるのか?について解説いたします。

この記事を読んで分かること

旅行業の登録に必要な事務所の形態

レンタルオフィス・バーチャルオフィスで旅行業登録できるのか

登録条件の確認

まず、旅行業登録をするために求められる条件についておさらいします。
旅行業法という法律上、登録するために必要な条件は、以下の4つです。
①基準資産額を満たす
②営業保証金を納める
③旅行業務取扱管理者を選任する
④欠格事由に該当しない

大雑把に言えば金銭的要件人的要件の2つをクリアできれば、登録条件を満たすということになります。

旅行業登録に必要な条件を徹底解説旅行業の登録をするためには様々な条件を、1つずつクリアしていく必要があります。 登録行政庁によって審査対象とするかどうかは変わってきま...

旅行業法上は事務所に関する規定はない

前掲した通り、法律上、旅行業登録に必要な条件はお金の面と人の面に関するものだけです。
いわゆる、事務所について特定の条件を定めたものはありません。

旅行業では、事務所のことを「営業所」として呼んでいます。
法律上は営業所に関する決まりはありませんが、観光庁からの通達で営業所の考え方については示されています。

具体的には、
①「本店」「支店」「サービスステーション」等の名称を問わず、実質的に旅行業務を行っている営業所
②契約の申し込みを受け付けして、申込金を受領する場所
といったところは営業所として扱われる、とされています。

とはいえ、これらの内容も、あくまでもその場所で行われる業務の中身に注目したもので、事務所そのものについて言及したわけではありません。

レンタルオフィスでも旅行業登録できるのか?

それでは、レンタルオフィスやバーチャルオフィスで旅行業の登録はできるのでしょうか?
結論は、レンタルオフィス・バーチャルオフィスでは旅行業登録はできません

旅行業法では、営業所に掲示や備置きが義務付けられている書面があります。
具体的には、
①旅行業登録票(標識)
②旅行業務取扱料金表
③旅行業約款
の3種類の書面です。
①と②は掲示義務、③は備置き義務です。

勘の鋭い方はお気づきかもしれませんが、「掲示」の義務があるのでバーチャルオフィスではそもそも掲示不可能ということになります。
また、バーチャルオフィスの場合はその場所で執務をすることができないため、実際の業務を行う場所を営業所として登録しなければなりません。
ですので、バーチャルオフィスは何があっても旅行業の営業所としては登録不可です。

一方で、レンタルオフィスはどうでしょうか。
レンタルオフィスと一口に言ってもいろいろな形態があるので、細かく場合分けします。

個室専有タイプ

オフィス空間と机や椅子などを専有するタイプの個室レンタルオフィスであれば、旅行業の登録をすることができる可能性は高いです。
専有スペース内に前掲①~③の書類を掲示・備置きできれば、法律上の義務も果たせるのでまず問題ないでしょう。

シェアオフィス

机や椅子を複数の企業などで共有するタイプのシェアオフィスでは、少し悩ましいですが、旅行業登録をすることは難しいです。
基本的には共有スペースに登録票などを掲示することができないからです。
また、仮に掲示等できたとしても、専有性がないので営業所としては言えない、と判断される可能性は高いです。
ですので、シェアオフィスでの登録もお勧めはしません。

時間貸し

時間貸しについても、シェアオフィスと同じことが言えます。
シェアオフィスよりも一層専有性が無いため、時間貸しオフィスで旅行業登録をすることは不可能です

おまけ

少し細かい話になりますが、登録票や料金表の掲示義務等は、旅行業の登録要件ではありません。
しかし、事業開始に当たってこれらの書類を掲示しなければならないため、掲示できないような物件で旅行業を始めようとすれば、それは旅行業違反となります。
掲示義務に違反した場合は行政指導や罰金の対象となり、最終的には旅行業登録の取消対象にもなります。
ですので、実質的に、登録票等の掲示ができない物件では旅行業登録が出きない、としています。

また、申請先の登録行政庁によっては、営業所に関する立証書類を提出させるところがありますので、その場合はより注意して物件選定をする必要があります。

営業所についてのまとめ

営業所には旅行業登録票や旅行業務取扱料金表の掲示が必須

これらの掲示ができないような物件では、登録はできない

個室のレンタルオフィスはOK、それ以外のレンタルオフィスやバーチャルオフィスはNG

多くの登録行政庁では、登録申請時に営業所の実態については書面提出も必要ないですし、実態調査が行われることも有りません。
しかし、旅行業法では登録票や料金表の掲示など、営業所にまつわる義務も定められています。
さらに、東京都で申請をする場合は、営業所に関する契約書などを提出する必要があります。
旅行業登録の手続を進める際には、まず物件を決める前に本当にその物件で大丈夫なのか、ご確認いただくことが重要です。
行政書士TLA観光法務オフィスでは、旅行業登録の手続に付随して、営業をする上で物件が適切なものかを確認し、助言することも可能です。
もしそうしたサポートを受けてみたいと思って頂けましたら、お問い合わせフォームよりご相談くださいませ。
あなたからのご連絡をお待ちしております。

お問い合わせお電話によるお問い合わせ お電話でのお問い合わせは、 03-5735-5157(担当:谷内田) 受付時間⇒平日午前10時~18...
ABOUT ME
ヤチダ マサヤ
ヤチダ マサヤ
観光の力で日本を元気に、をモットーに活動している観光系行政書士です。現在は、旅行会社様、宿泊事業者様、そして外国人雇用を目指す事業者様の経営支援を中心に活動しています。正しくお金を稼いで、世の中に還元したいと考えています。趣味は、オーケストラでの演奏活動。【取扱業務】旅行業登録手続/旅館業許可申請/住宅宿泊事業届出/就労ビザ(在留資格)申請手続/酒販免許申請/その他の営業許可取得はご相談ください
記事をメールで購読

メールアドレスを登録して購読すれば、記事の更新通知をメールで受け取ることができます。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です