旅行業

旅行業法違反の罰則まとめ|コンプライアンス経営のために

旅行業を始めとしたすべての許認可は、取得することも大変ですが、取得した後も非常に大変です。
各業法で、細かくルールが定められており、そのルールに従わない場合には罰則を与えるというものになっています。
旅行業法についても、多くのルールが定められていて、それぞれ罰則規定が設けられています。
ルール違反をすると、罰則はもちろん営業停止等の行政指導の対象にもなり、さいあくの場合、旅行業登録を取消されて、抹消されてしまうということもあるので十分にご留意ください。

この記事を読んで分かること

どんな罰則があるのか

どんな行為が罰則になるのか

旅行業者/旅行業者代理業者/旅行サービス手配業者に対する罰則

1年以下の懲役または100万円以下の罰金、あるいはそのどちらも

無登録営業

旅行業、旅行業者代理業、旅行サービス手配業の登録を受けずに業務を行うとこれに該当します。

不正の手段で登録を受けた

例えば書類の偽造をしたり、選任すべき旅行業務取扱管理者が名義貸しで、実際には勤務実態が無いというような場合には、不正の手段で登録を受けたということになります。
旅行業、旅行業者代理業、旅行サービス手配業のいずれもが対象です。

変更登録をせずに業務範囲を変更した

例えば、第3種旅行業の登録をしている事業者が、本来は取扱うことのできない海外募集型企画旅行を行ったような場合が当てはまります。
※海外募集型企画旅行は、第1種旅行業者のみが取り扱うことができます。

名義貸し

旅行業や旅行業者代理業、旅行サービス手配業の登録を受けている会社が自社では営業をせずに、その名称や登録番号を、これらの登録を受けていない他の事業者に使用させるような場合が該当します。

これらの違反に対する罰則は、旅行業法上最も重い内容になっています。

1年以下の懲役または30万円以下の罰金

この罰則については、研修事務を行う登録研修機関の役員や職員、あるいは旅行業務取扱管理者試験事務に従事した旅行業協会の役員や職員、試験委員の人に対する規定なので、旅行業者やその他登録業者にとっては直接関係するものではないので、本記事では割愛をいたします。

6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金、あるいはそのどちらも

業務停止命令に従わない

旅行業者、旅行業者代理業者、旅行サービス手配業者に対して出された業務の停止命令に従わず営業を続けた場合、この罰則規定が適用されます。

100万円以下の罰金

営業保証金の供託後、その届出をしないで営業を開始した

旅行業者は、登録を受けた後に登録種別と予定取引額を基に算出された営業保証金額を供託しなければならない決まりです。
営業保証金を供託した後に、供託書のコピーと届出書を登録行政庁宛に提出することが定められています。
この届出書等の提出をせずに営業を開始した場合は、処罰対象となります。

また、旅行業者代理業者の場合、所属する旅行業者が供託と届出書の提出をする前に営業開始した場合、同様の罰則が適用されることになります。

50万円以下の罰金

旅行サービス手配業務の再委託を登録業者以外に委託した

旅行サービス手配業者が旅行業者等から旅行サービス手配業務の委託を受けた場合、孫請け等に再委託する場合には、旅行業か旅行サービス手配業の登録を受けた事業者にしなければなりません。

また、旅行業者が他社から委託を受けて行う旅行サービス手配業務を委託する場合も同様に、旅行業か旅行サービス手配業の登録を受けた事業者であることが必要です。

30万円以下の罰金

登録事項の変更届を提出しないか、虚偽の届け出をした

旅行業者、旅行業者代理業者、旅行サービス手配業者がその登録事項に変更があったにもかかわらず変更の届出を行わない場合や、虚偽の届出をした際には、罰則の適用対象になります。

毎事業年度終了後に取引額の報告をしない

旅行業者は、その事業年度が終了した後100日以内に、1年間の旅行者との取引額を報告することになっています。
これを提出していない場合は、罰則対象になるとともに、実務上では旅行業の更新を受けることができません。

業務を行う営業所に管理者を選任しない

旅行業者、旅行業者代理業者はその業務を行う営業所に最低1人以上の旅行業務取扱管理者を選任する必要があります。
また、旅行サービス手配業務取扱管理者は、上記の旅行業務取扱管理者か、旅行サービス手配業務取扱管理者を選任しなければなりません。
ここでいう選任は、その営業所に専属でなければならず、複数営業所や他の会社との兼務・兼業をすることはできません(一部例外規定あり)。

選任した管理者が欠けたにも関わらず、業務に関する契約を締結した

営業所で選任した旅行業務取扱管理者(旅行サービス手配業務取扱管理者も含む。)が何らかの理由で欠け、不在となってしまったときは、新しく管理者を選任するまで、その営業所では旅行業務や旅行サービス手配業務の契約を結んではならないとされています。

事業者が管理者に指定研修を受けさせない/業務改善命令に従わない

旅行業者等や旅行サービス手配業者には選任した管理者について、5年に1度その能力向上を図る目的で、研修期間が行う研修に参加をさせなければなりません。

また、業務改善命令については下記のとおりです。

旅行業者等に対する業務改善命令
  1. 旅行業務取扱管理者を解任すること
  2. 旅行者から受け取る料金を変更すること
  3. 旅行業約款を変更すること
  4. 企画旅行での旅程管理措置を確実に実施すること
  5. 旅行者の損害賠償に必要な金額を担保するための保険契約を結ぶこと
  6. その他業務の運営の改善に必要な措置をとること
旅行サービス手配業者に対する業務改善命令
  1. 旅行サービス手配業務取扱管理者を解任すること
  2. その他業務の運営の改善に必要な措置をとること

料金表の掲示をしない

旅行業者は、企画旅行以外の旅行業務について旅行者から受け取る取扱い料金表を営業所の見やすいところに掲示する義務があります。

旅行業者代理業者は、所属旅行業者が定めた料金表を同じく掲示する義務があります。

旅行業約款の認可を受けていない/旅行業約款を掲示していない

旅行業者は旅行者と結ぶ契約について旅行業約款を定めて、観光庁長官の認可を受けなければならないとされています。
ただし、事前に観光庁長官と消費者庁長官によって定められた標準旅行業約款を使用する場合は、この認可を受けているものとみなされます。

また、旅行業約款は営業所において見やすい場所に掲示をするか、いつでも閲覧できるように備え置かなければなりません。

契約後に交付すべき書面を交付しない/虚偽記載した書面を交付した

旅行業者等も旅行サービス手配業者も、その業務に関する取引について契約を結んだ後は、書面を交付しなければならないとされています。

旅行契約を結んだ後に交付する契約書面について旅行業法では、旅行会社がその業務について契約を結んだ後に、一定の事項を記載した書面を交付することが義務付けられています。 この書面を交...

外務員証の携帯をさせずに営業所外の場所で営業をした

旅行業者等の役員や従業員が、その営業所外で旅行業務に関する取引を行う場合は、外務員証を携帯させなければ外務員としての業務をしてはならないとされています。
外務員は、販売員、外交員、勧誘員といった名称による違いは関係なく、実質的に営業所外で取引活動を行っていれば該当することになります。

不適切な広告を掲載した

企画旅行の広告

募集型企画旅行の広告をするときには、最低限必要な事項を掲載しなければなりません。

誇大広告の禁止

広告に掲載する一定の事項については、著しく事実と異なる表示をしたり、実際の者よりも著しく優良であったり、有利であると誤認させるような表示をしてはなりません。

企画旅行広告の表示方法や誇大広告については、旅行業公正取引協議会が自主ルールとして公正競争規約(景品規約/表示規約)を定めています。

旅行業者や旅行業者代理業者が旅行業登録票を掲示しない

旅行業者等は、業務を行う営業所ごとに、旅行業の登録票を作成して、広州に見やすいように掲示しなければなりません。
旅行業者や旅行業者代理業者の別、あるいは選任する旅行業務取扱管理者の種類によって、様式が異なります。

旅行業者等以外の者が旅行業登録票に類似した書類を掲示した

旅行業者等以外の者が、旅行業登録票に類似した標識を作成して、営業所に掲示してはなりません。
旅行者が本当の旅行業者等であるという風に誤認しないためです。

禁止行為をした

旅行業者等の場合
  1. 事前に定めて掲示した料金表より高い金額を受け取る行為
  2. 旅行業務の取引をする者に対して、その取引に関する重要な事項について、わざと事実を告げず、あるいは客観的事実とは異なることを告げる行為
旅行サービス手配業者の場合

旅行サービス手配業務の取引をする者に対して、その取引に関する重要な事項について、わざと事実を告げず、あるいは客観的事実とは異なることを告げる行為

旅行業者代理業者が取引時に所属旅行者の代理人であることを告げない

旅行業者代理業者は、旅行業務取引をするときには、所属旅行業者の氏名または名称、旅行業者代理業者である旨を相手方に明示しなければなりません。

観光庁長官や消費者庁長官による業務の報告要請に応じない/立入検査や質問を拒む

観光庁長官は旅行業法の目的を達成するために必要な限度で、旅行業者等や旅行サービス手配業者、その他旅行業協会や登録研修機関に、その業務についての報告を求めることができます。
また、それ以外にも営業所への立ち入り検査を行うこともできます。

消費者庁長官は、旅行者の利益保護のために必要な限度で、観光庁長官が旅行業者に対して行う業務改善命令に意見を出すために必要がある場合は、旅行業者等にその業務についての報告を求めることができます。
また、意見を出すために必要がある場合には、営業所への立入検査を行うこともできます。

20万円以下の科料

廃止の届出を提出しない

旅行業の廃止をすべき事由が発生した際に、その廃止の届出をしなければならないこととされています。
具体的な廃止の事由については別の記事で解説しています。

旅行業登録の廃止手続を解説|旅行事業からの撤退をお考えの方へ第1種旅行業、第2種旅行業、第3種旅行業、地域限定旅行業、旅行業者代理業、旅行サービス手配業の登録を受けた事業者であるあなたが、諸事情に...

 

罰則の対象になるということはつまり旅行業法違反の状態ということで、旅行業法違反の状態が続くと、旅行業等の登録取り消し対象になるということは先にお伝えした通りです。
実務的には悪質な事案でない限り一発アウトとなることはほぼ無いですが、旅行業法は旅行者(消費者)保護のための法律だということを念頭に置いて、旅行者のためにもコンプライアンスを重視した適切な事業運営をしていくべきなのは言うまでもありません。
もし、お近くに社内の組織体制や業務フローについてご相談できる方がいらっしゃれば、ぜひ相談をしてみてください。
そのような方が周りにいなければ、行政書士TLA観光法務オフィスでもサポートできる部分は多々ございます。
サポートに興味をお持ちの方は、一度お問い合わせフォームよりご連絡くださいませ。

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ヤチダ マサヤ
ヤチダ マサヤ
観光の力で日本を元気に、をモットーに活動している観光系行政書士です。現在は、旅行会社様、宿泊事業者様、そして外国人雇用を目指す事業者様の経営支援を中心に活動しています。正しくお金を稼いで、世の中に還元したいと考えています。趣味は、オーケストラでの演奏活動。【取扱業務】旅行業登録手続/旅館業許可申請/住宅宿泊事業届出/就労ビザ(在留資格)申請手続/酒販免許申請/その他の営業許可取得はご相談ください

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