旅行業法逐条解説

【旅行業法】第7条ー営業保証金の供託

旅行業法
第7条(営業補償院の供託)
旅行業者は、営業保証金を供託しなければならない。
② 旅行業者は、営業保証金の供託をしたときは、供託物受入れの記載のある供託書の写しを添付して、その旨を観光庁長官に届け出なければならない。
③ 旅行業者は、前項の届出をした後でなければ、その事業を開始してはならない
④ 観光庁長官は、旅行業の登録をした場合において、登録の通知を受けた日から14日以内に旅行業者が第2項の届出をしないときは、その定める7日以上の期間内にその届出をすべき旨の催告をしなければならない
⑤ 観光庁長官は、前項の催告をした場合において、同行の規定により定めた期間内に旅行業者が第2項の届出をしないときは、当該旅行業の登録を取り消すことができる

営業保証金制度

本条は、旅行業者に対して営業保証金の供託義務を課した条文です。

旅行業の登録には基準資産額という、旅行業務の範囲に応じた財産的な基礎を要求されています。
基準資産額は、確かに旅行業者の一定水準の資力を設定することができますが、基準資産額を設けただけでは旅行者の保護を図るには不十分です
旅行業というビジネスモデルが旅行者から前受金を受け取って、それを旅行サービス提供者に支払するという、信頼関係を前提としたものです。
また、旅行業者は一度に多くの旅行者から、旅行開始前にその資力に関係なく多額の前受金を受け取ることもあり、万が一旅行業者が倒産したような場合にはその影響度が大きく不測の損害を受けることがあります。
そこで、一定金額の営業保証金を供託させることによって、そういった万が一の場合に前受金を支払った旅行者を保護しようという制度になっています

旅行業者代理業者と旅行サービス手配業者が営業保証金の供託義務から除外されているのは、代理業者はその行う契約の効果が旅行業者に帰属するという点、旅行業者による監督が行われるという点で対象外となっています。
旅行サービス手配業者は、その行う契約が旅行業者と旅行サービス提供事業者という、いわばBtoB間取引となり、旅行者の保護という性質に馴染まないためです。

営業の開始前の届出

旅行業者は、旅行業登録の通知を受けた日から14日以内に、営業保証金の供託をして、供託書の写しを添付して供託した旨を登録行政庁宛に届出しなければなりません。
登録行政庁は、第1種旅行業であれば観光庁長官、それ以外の第2種旅行業、第3種旅行業、地域限定旅行業であれば都道府県知事です。
仮に14日以内に届出がない場合は、登録行政庁は7日以上の任意の期間を定めて、供託した旨の届出を行わない旅行業者に対して、届出をせよ、と催告をする義務があります。
そして、その任意の期間内に届出が行われない場合は、旅行業の登録を取り消すことができるとしています。

この営業保証金の供託とその旨の届出は、旅行業の登録を受けた旅行業者が営業を開始する前に行わなければいけません
これは、旅行業者にまず供託をさせて、旅行者を守るための措置を行わないことには旅行者保護の担保にならないこと、営業開始前に供託を速やかに実施できないことがそもそも旅行業者としての資産状況を疑わざるを得ず、旅行業を営むのに相応しくないといった理由が挙げられます。

供託の免除

旅行業者が観光庁長官の指定する旅行業協会の正会員として入会して、その旅行業協会宛に弁済業務保証金分担金を納付して保証社員となった場合には、供託義務が免除されます。
これは、弁済業務保証金分担金を原資として旅行業協会が供託をする弁済業務保証金によって、旅行業務に関する取引によって生じた旅行者の旅行業者に対する債権が担保されるためです。
旅行業者が旅行業協会から退会し、引き続き旅行業を継続する場合には、再度供託義務が発生します。

本条違反による罰則

営業保証金を供託した旨の届出をしないで旅行業の営業を開始した場合、100万円以下の罰金に処せられます。
また、業務の停止や登録の取消事由になることもあります。

ABOUT ME
ヤチダ マサヤ
ヤチダ マサヤ
観光の力で日本を元気に、をモットーに活動している観光系行政書士です。現在は、旅行会社様、宿泊事業者様、そして外国人雇用を目指す事業者様の経営支援を中心に活動しています。正しくお金を稼いで、世の中に還元したいと考えています。趣味は、オーケストラでの演奏活動。【取扱業務】旅行業登録手続/旅館業許可申請/住宅宿泊事業届出/就労ビザ(在留資格)申請手続/酒販免許申請/その他の営業許可取得はご相談ください

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です