旅行業約款解説

ランドオンリー約款の認可申請について

航空会社によるFFP(マイレージサービス、マイレージプログラム)の浸透やLCCの台頭で、旅行の在り方も大きく変わりました。
端的に言えば、マイルがたまったから航空券は自分で手配する、格安航空券を使いたい。
こういったニーズに対応するため、旅行会社は「現地発着型」の旅行商品を用意するようになりました。
ランドオンリーとは、この現地発着型旅行のことです
旅行者にとっては、航空機を別手配とすることで旅行全体の費用を抑えられるといったメリットがあります。
一方で、旅行会社には、旅行業約款との兼ね合いで旅行者都合によるキャンセルのキャンセル料を取ることができなくなる可能性があるというデメリットがあります。
そこで、ランドオンリー型旅行についてもキャンセル料を取ることができるようにするための、個別認可約款の申請が認められています。

こんな方にオススメ

ランドオンリー旅行商品の企画を考えている旅行会社

ランドオンリー約款で変わること

標準旅行業約款のキャンセル料の考え方

まず、通常の標準旅行業約款では、旅行者都合による海外旅行のキャンセルでキャンセル料を受け取ることができるケースとして3つのパターンを想定しています。

  1. 日本からの出国時又は日本への帰国時に航空機を利用する
  2. 貸切航空機を利用する
  3. 日本からの出国時及び日本への帰国時に船舶を利用する

ランドオンリーは、日本からの出国時及び日本への帰国時に旅行者が自分で飛行機を手配します。
そうすると、この3つのどれにも当てはまらなくなるため、旅行者都合による現地発着型ツアーのキャンセルがあっても、キャンセル料を回収することができなくなってしまいます
標準旅行業約款に定めがないにもかかわらず、キャンセル料金を回収することは、消費者にとって不利な特約という扱いになり、その特約は無効になります。

そこで、ランドオンリー約款では、現地発着型形式であっても、日本からの出国時又は日本への帰国時に航空機を利用する旅行商品と同様のキャンセル料を回収できることとしています。

ランドオンリー約款導入後のキャンセル料

海外募集型企画旅行のキャンセル料

ランドオンリー(日本国外を出発地及び到着地とする)募集型企画旅行のキャンセル料は、下記の通りとなります。

旅行契約解除の時期 キャンセル料
旅行開始日がピーク時の旅行である場合であって、旅行開始日の前日から起算してさかのぼって40日目に当たる日以降に解除する売(次項以降に掲げる場合を除く) 旅行代金の 10%以内
旅行開始日の前日から起算してさかのぼって30日目に当たる日以降に解除する場合(次項以降に掲げる場合を除く) 20%以内
旅行開始日の前々日以降に解除する場合(次項に掲げる場合を除く) 50%以内
旅行開始後の解除又は無連絡不参加の場合 100%以内

ピーク時とは、標準旅行業約款で、12月20日から1月7日までと、4月27日から5月6日までと、7月21日から8月31日までの期間を指します。

旅行開始後とは、サービスの提供を受けることを開始した時、とされています。
もう少しかみ砕くと、団体旅行で集合時間が決まっているような場合には、この集合時間を経過したら旅行開始後となります。
集合時間が無いような場合には、最初に旅行サービス提供機関のサービスを利用開始したとき以降が旅行開始後となります。
例えば現地到着後にまずホテルへチェックインするような場合には、そのチェックイン手続後が旅行開始後となります。

旅行代金の100%をキャンセル料として回収できるのは旅行開始後の解除又は無連絡不参加の場合となっているため、旅行開始日当日であっても、旅行開始後でなければ、50%しか回収できないということもあり得ます。

海外受注型企画旅行のキャンセル料

ランドオンリー(日本国外を出発地及び到着地とする)受注型企画旅行のキャンセル料は、下記の通りとなります。

旅行契約解除の時期 キャンセル料
次項以降に掲げる場合以外の場合であって、旅行会社が契約書面で企画料金の金額を明示した場合 旅行代金の 企画料金相当の金額
旅行開始日の前日から起算してさかのぼって30日目に当たる日以降に解除する場合(次項以降に掲げる場合を除く) 20%以内
旅行開始日の前々日以降に解除する場合(次項に掲げる場合を除く) 50%以内
旅行開始後の解除又は無連絡不参加の場合 100%以内

受注型企画旅行のキャンセル料には、ピーク時の規定がない代わりに、契約書面に企画料金を明示した場合に、旅行開始日の前日から30日目より前の時期のキャンセルであっても、企画料金相当の金額をキャンセル料として回収できるのが特徴です。

認可申請に必要な書類

  • 旅行業約款変更認可申請書
  • 旅行業約款(案)
  • 旅行業約款変更対照表

旅行業約款認可申請の流れ

申請先

旅行業約款の変更認可申請先は、第1種旅行業者は主たる営業所を管轄する地方運輸局です。
第2種旅行業者、第3種旅行業者は各都道府県に申請します。
地域限定旅行業者については、海外旅行を実施することができないため、ランドオンリー約款の対象外となります。

申請手続の流れ

書類の作成

申請先へ書類提出

審査処理(標準処理期間:60日)

認可

認可約款の適用開始

旅行業約款認可申請の標準処理期間は60日となっております。
しかし、ランドオンリー約款は定型的な認可約款であるため、実際にはもっと早く処理が行われます。
早ければ、2週間程度で認可が下りることもあります。

なお、約款の認可を受けた場合には、変更後の約款を営業所に掲示or備え置きしなければならないため、注意が必要です。

フライ&クルーズ約款との同時申請

ランドオンリー約款は、フライ&クルーズ約款の認可申請と同時に行われることも多いです。
その場合、フライ&クルーズ+ランドオンリー約款として申請を出しますが、手続きの流れや必要書類についてはおおむねフライ&クルーズ約款に合わせることになります。

フライ&クルーズ約款の認可申請について標準旅行業約款には、旅行者側の都合による旅行契約解除についての取消料規定が置かれています。 この中で、海外旅行では下記のケースでのみ、...

行政書士TLA観光法務オフィスでは、旅行業約款の個別認可申請のサポートをしております。
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ヤチダ マサヤ
ヤチダ マサヤ
観光の力で日本を元気に、をモットーに活動している観光系行政書士です。現在は、旅行会社様、宿泊事業者様、そして外国人雇用を目指す事業者様の経営支援を中心に活動しています。正しくお金を稼いで、世の中に還元したいと考えています。趣味は、オーケストラでの演奏活動。【取扱業務】旅行業登録手続/旅館業許可申請/住宅宿泊事業届出/就労ビザ(在留資格)申請手続/酒販免許申請/その他の営業許可取得はご相談ください

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