旅行業約款解説

受注型企画旅行契約約款(実額精算による取消料設定)の認可申請について

企画旅行契約を締結した際に、旅行者都合によるキャンセルがあった場合に旅行会社が受け取ることができる取消料は、旅行業約款で定められた範囲内でしか受け取ることができません。
受注型企画旅行の場合は、国内旅行であれば旅行の日から21日前、海外旅行であれば旅行の日から31日前(貸切航空機の場合は91日前)よりも早い段階で旅行者からキャンセルをされてしまうと、企画書面に企画料金を明示したとき以外は取消料を一切回収することができません。

一方で、旅行者からの依頼を受けて旅行商品を造成した際に、PEX運賃の航空機や、キャンセルポリシーの厳しい宿泊機関を利用することで、早期のキャンセルに対して旅行会社が運送・宿泊機関に支払うキャンセル料金を、この標準旅行業約款の取消料ではカバーできないということが起こりえます。

この状態を解消するために、観光庁長官の旅行業約款認可を受けることで、受注型企画旅行契約の取消料について、旅行者と契約する受注型企画旅行ごとに、従来の標準約款通りの取消料を設定するか、旅行サービス提供機関が請求する取消料や違約料等の合計金額の取消料を設定するか、選択することができるようになります。

こんな方にオススメ

受注型企画旅行を取扱っている旅行会社

PEX運賃の航空機を企画に組み込む旅行会社

キャンセルポリシーの厳しい宿泊施設を企画に組み込む旅行会社

受注型企画旅行契約約款(実額精算による取消料設定)で変わること

受注型企画旅行契約の取消料

この約款認可申請をすると、受注型企画旅行契約の取消料について、旅行サービス提供機関が定める実額を精算するものか、従来の標準旅行業約款に規定された取消料によるものか、選択することができます。
実額精算するためには、一定の手順を踏む必要があります。

  1. 旅行サービス提供機関が定める契約解除料(取消料等)である
  2. 企画書面で、取消料等を証憑を添付して明示する

このときに、旅行会社は、旅行者が旅行開始前に受注型企画旅行契約を解除した場合の取消料について、旅行サービス提供機関に支払わなければならない取消料等の金額の範囲内で、旅行者から取消料を回収することが可能となります。

このルールを適用するためには、企画書面で証憑添付の上取消料等を明示する必要があるため、証憑添付が無ければ、旅行業約款に規定された従来の取消料規定が有効になります。
この意味で、実額精算と従来の取消料を選択することができます。

注意点

実額精算規定を使用する場合、受注型企画旅行契約を締結後、旅行開始前までの間は、常に実額精算の規定に従って取消料を回収しなければなりません
これはどういうことかというと、通常の取消料規定であれば旅行出発日当日に50%の取消料が回収できるものであっても、実額精算規定の影響により、旅行サービス提供機関の定める取消料等のみの回収となってしまい、本来回収できるはずだった取消料よりも少額になってしまうということがあります。
同様に、実額精算をする場合には企画書面に明示した企画料金相当金額についても回収することはできません
あくまでも、証票提示した旅行サービス提供機関の取消料等のみがその範囲となります。

また、この取扱いは受注型企画旅行契約のみに適用されるため、募集型企画旅行契約の取消料については従来通り標準旅行業約款に定められた範囲内でのみ回収することができます。

認可申請に必要な書類

  • 旅行業約款変更認可申請書
  • 旅行業約款(案)
  • 旅行業約款変更対照表
  • 「海外旅行保険(旅行変更費用担保特約)」に関する資料
    • 損害保険代理店委託契約書の写し
    • 「海外旅行保険・旅行変更費用担保特約」のパンフレット・申込書

第2種、第3種、地域限定旅行業者で保険会社との損害保険代理店契約を結ぶことができない場合

この場合、海外旅行保険に関する資料の代わりに、誓約書を提出します。
ただし、誓約書には実額精算規定を適用する旅行の範囲は国内旅行のみにする、という内容が含まれているため、海外受注型企画旅行契約には適用することができません。

海外旅行まで範囲に含める場合は、保険会社と損害保険代理店契約を結んで、旅行会社が保険代理店として所定の保険販売をしなくてはならないのですが、現実問題としては保険会社との代理店契約を結ぶのは難しい状況です。

旅行業約款認可申請の流れ

申請先

旅行業約款の変更認可申請先は、第1種旅行業者は主たる営業所を管轄する地方運輸局です。
第2種旅行業者、第3種旅行業者、地域限定旅行業者は各都道府県に申請します。

申請から認可までの流れ

書類の作成と保険契約の準備

申請先へ書類申請

審査処理(標準処理期間:60日)

認可

認可約款の適用開始(旅行商品の販売)

旅行業約款の認可申請は、標準的な処理期間は60日となっております。
しかし、受注型企画旅行契約約款は事前に調整が行われた定型的個別認可約款であるため、早ければ2週間程度で認可されることもあります。

その他留意事項

約款が認可された後は、認可後の約款を営業所に掲示or備え置きしておかなければなりません。

また、実額精算による取消料規定を適用する場合には、企画書面等の見直しも必要です。
企画書面に証憑を添付して取消料を明示する場合は、証憑には具体的な金額が記載されていなければならないため、注意が必要です。
ただし、証憑に記載されているのは取消料の金額があればOKで、宿泊代金や航空機の運賃まで記載されている必要はありません。

ランドオペレーターが代わりに手配をした旅行サービス提供機関を受注型企画旅行の行程に組み込んで、かつ取消料の実額精算規定を利用する場合、ランドオペレーターが発行した証憑ではなく、旅行サービス提供機関が発行した証憑が必要になるため、特に海外の事業者に対して証憑を求めるためのひな形も準備しておく必要があるでしょう。

行政書士TLA観光法務オフィスでは、旅行業約款の個別認可申請のサポートをしております。
約款の認可申請はもちろん、必要に応じて企画書面や契約書面等の見直しにも対応しています。
自社でも頑張ればできる内容ですが、もしご不安に思われたりサポートを受けてみたいと思って頂けましたら、お問い合わせフォームよりご相談くださいませ。
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ヤチダ マサヤ
ヤチダ マサヤ
観光の力で日本を元気に、をモットーに活動している観光系行政書士です。現在は、旅行会社様、宿泊事業者様、そして外国人雇用を目指す事業者様の経営支援を中心に活動しています。正しくお金を稼いで、世の中に還元したいと考えています。趣味は、オーケストラでの演奏活動。【取扱業務】旅行業登録手続/旅館業許可申請/住宅宿泊事業届出/就労ビザ(在留資格)申請手続/酒販免許申請/その他の営業許可取得はご相談ください

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