MaaSアプリに旅行業登録は必須なのか?

MaaSアプリに旅行業登録は必要か
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当事務所では旅行業や旅館業といった、観光分野に特化した営業許認可手続を取り扱っています。
特に、旅行業については他業種の方からのお問い合わせも多くいただきます。
その中で最近いただいたものが、
MaaSアプリを運用していく上で旅行業登録は必要なのか?
というものでした。

MaaSアプリでも、ビジネスモデルによっては旅行業登録が必要になることがあるので、今回はそのことについて解説いたします。

目次

MaaSとは?

MaaSとは、Mobility as a Serviceの略語です。
意味合いとしては、ICT技術を利用して、数あるモビリティ(移動手段)をシームレスにつなぐ仕組みのことです。
いま日本で行われている取組としては、具体的には現在地から目的地までを専用アプリで検索してAIがより適切な経路を複数表示。
アプリ利用者はその中から自分が利用したい経路を選択して、各種モビリティの利用に必要な予約や手配、そして決済までを行うことができるようにする。
こうした仕組みが設計され、各社専用アプリを開発して、実証実験を行っています。

MaaSアプリに旅行業登録は必要か?

MaaSアプリは、アプリ上で運送手段を検索して、利用するための予約や手配、決済までを一貫して行うことになるため、旅行業法の適用対象になるかがアプリ開発上の検討ポイントとなります。

ひとくちにMaaSアプリと言っても、その運用方法やビジネスモデルは多岐にわたるため、画一的に旅行業登録が必要かどうかの判断はできません。
しかし、以下のような場合には旅行業登録は不要となります。

  1. MaaSアプリ等から交通事業者のアプリ等へのリンクがある場合
  2. API連携が行われていて、予約入力画面から予約確認画面に移行する間までに、アプリ等利用者と交通事業者との直接取引となり、その旨が明確に表示されている場合
  3. チケット販売から利益を得ず、チケット販売決済による決済手数料を受け取る場合

③についてはもう少し詳しく説明すると、MaaSアプリ利用者がアプリ上で交通事業者が提供する切符、チケットなどを利用するために、アプリ上で決済するときを想定しています。
このときに、アプリ上でのチケット販売価格は交通事業者が販売する正規価格で提供し、チケット販売そのものから利益を得ず、アプリ上で決済させることによる決済手数料を交通事業者から受け取るようなときには、旅行業登録は不要となります。

上記はあくまでも例示になるため、実際には各MaaS事業者の想定するビジネスモデルを整理して、旅行業登録の必要性を吟味しなければなりません。

まとめ

旅行業法では、宿泊施設や運送手段について代理、媒介、取次といった形式で手配をし、そこから報酬を得るときには旅行業の登録が必要なっています。
そのため、今回のような一見すると「旅行」とは関係のなさそうなMaaS事業についても、旅行業登録の必要性を吟味することになります。

旅行業登録の有無については画一的に判断できるものではなく、それぞれの事業者の皆様のビジネスモデルに照らし合わせて、総合的に判断していくことになります。
アプリ上の導線、決済の方法、収益の根拠等、その論点は多岐にわたります。

今後ますます伸びていくことになるMaaSアプリ等を開発される際には、ぜひこうした各方面の法律に抵触しないのか、調査をされることをオススメいたします。
行政書士TLA観光法務オフィスでは、新規事業立ち上げ時の許認可等法務リスクの調査についてもサポートをしております。
せっかく画期的な事業を立ち上げたとしても、法律の壁に阻まれてサービスをローンチできない、となってしまっては元も子もありません。
ぜひスタートアップのときにこそ、こうした法務リスクの排除をご検討されてみてください。
もし、こうしたサポートを受けてみたいと思って頂ける場合には、下記お問い合わせフォームよりご相談くださいませ。

あなたからのご連絡をお待ちしております。

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